■上映期間
2/7(土)〜 2/20(金)
- THEATER0
- 2/7(土)~2/13(金)
- THEATER0
- 2/14(土)~2/20(金)
- ※休館日・毎週火曜日
© 2024 LASTOR MEDIA, KINO PRODUZIONI, ALINA FILM
バルセロナの舞台女優クラウディア(80)は末期がんの罹患者。癌は脳に転移し、錯乱や半身麻痺と自我の喪失が近づくなか、彼女は安楽死を選択する。クラウディアは子育てよりも舞台優先で生きてきた。お茶目な女優妻を支え、今なお愛してやまない夫フラビオ。永縁なる夫婦は、共に旅立つことを決め、デュオ安楽死 を決意する。ところがスペインで安楽死はできるがデュオ安楽死はできない。ふたりはデュオ安楽死ができるスイスへ行く決意をする。
一方、母の病を機に同居を始める末娘のヴィオレッタ。長男長女は家庭を持ち実家に寄り付かない。ヴィオレッタは母に兄姉を合わせる目的で、両親の結婚記念パーティーを企画。しかしパーティー前夜に両親が決めたデュオ安楽死に気付き、ヴィオレッタはパーティーで思わず打ち明けてしまい、久しぶりの家族再会は修羅場と化す。
「最期に聞きたい死のプレイリストのご準備を」子供たちは父の考えに賛成しない。長女は母の操作と決めつけ喧嘩する始末。しかし父の意志は 固く、両親はデュオ安楽死に必要な手順を進め、最後の旅の出発がにわかに訪れるのだが―
本作は両親の終幕を題材にしているが、不思議と暗さを感じない。むしろ家族のユーモアあふれるセリフ回しに、それを忘れてストーリーに没頭してしまう。本編の一部は、家族の心情を母の職業だったミュージカル調で表現し、本筋と見事に融合。最後まで自分らしく生きた母の終末期。欧州で急激に増えるデュオ安楽死。なぜ増加傾向にあるのか。その一つの答えを本作で垣間見る。